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これだけ知っていれば大丈夫!所得税の基礎の基礎〜サラリーマン編@〜 『わかる!税金』第2回目です。いよいよ、今回から、税金についてのもっと具体的なお話に踏み込みたいと思います。第2回は、これだけ知っていれば大丈夫!所得税の基礎の基礎、サラリーマン編です。サラリーマン等の給与所得者を中心とした所得税の計算プロセスと税制の仕組みをお話いたします。サラリーマン等給与所得者の税金がどのようにして計算されるのか、年末調整と個人確定申告の関係がどのようになされているのかを理解し、自らの納税額の決定プロセスを理解していただくことが今回の目的です。 第1回でもお話しましたように、基本的にわが国の税制は、納税者自身が暦年1年間の所得金額とそれに対する税額を計算して確定申告を行い、その申告に基づいて自主的に納付するという申告納税方式が採用されています。これに対して、ひとつの会社のみから給与をもらっているサラリーマン等の給与所得者は、確定申告という手続きを経ることなく、源泉徴収・年末調整という手続きを経るだけで納税に関する手続きはすべて完了してしまいます。 この源泉徴収・年末調整は、全て勤務先がやってくれるため、申告にあたって、サラリーマン自らが税金を計算する必要がありません。それゆえ、どういう計算の結果、税額が確定しているのかがよく理解されておらず、納税意識が非常に薄くなってしまっているのです。 サラリーマンの場合、この納税意識が薄くなっているというのが、実に大きな問題なのです。納税意識が薄く、自らの税額決定プロセスを把握できていないとすれば、もしかしたら税金を余分に納めていることに気づけないからです。 サラリーマンに対し課税される主な税金は所得税です。まずは所得税の基礎を抑えることから始めましょう。 (1)収入から経費を差し引いた金額が儲けです 国が個人に対して課税する税金は所得税であり、この所得税を計算する上で重要なのが所得です。所得とは、「儲け」のことであり、収入から経費を差し引いた金額のことです。所得税は、この収入から経費を差し引いた所得に対して課税されるのです。 所得税は、この所得の金額に税率を掛けることで計算が可能になります。しかし、たとえば、扶養家族を何人も抱えている人と独身者とを比較すれば、前者の方が扶養家族を多く養っている分、税金を支払う力は弱いでしょう。また、病気持ちの家族を抱えていれば、その分医療費も多くなりますし、地震や火事による被害を受けてしまった場合には、仮に所得が同じ人でも、被害を受けた人とそうでない人では、生活状況が全く異なってきます。そこで所得税では、各納税者の個別状況に配慮する形で、所得控除という制度が設けられています。 この所得控除額を所得金額から差し引き、その残額が課税対象額となります。 (3)所得税率はどのくらいなの? 課税対象額が計算できれば、後は、10%から37%までの4段階に分かれている所得税の税率を、課税所得金額の大きさに応じて掛ければ、所得税額が算出できます。 下の表のように所得税率は、課税所得金額が330万円までは10%、330万円を超える部分の金額が20%となりますので、課税対象額が400万円であれば、330万円を超える部分の70万円部分のみが20%となります。 330万円×10%=33万円と70万円×20%=14万円で、合計47万円です。以下の所得税額速算表を使えば、簡単に計算できますね。 (4)税額控除というものもあります 算出した税額からは、税額控除と呼ばれる所定の控除額をさらに差し引くことができます。税額控除は、課税対象額に税率を掛けた後の金額から直接控除する形になるため、所得控除とは、控除するタイミングが違います。 税額控除の代表的なものは、住宅ローン控除です。住宅の取得に伴い住宅ローンを負った場合には、その負担を和らげるための措置が講じられます(住宅ローン控除については、次回以降で詳しく説明いたします)。控除の意味合いも所得控除とは異なり、国による住宅の取得促進策や景気刺激策等の効果を狙った控除となります。先ほどの計算式に追加してみると以下のようになります。 所得税の計算は、概ね(1)〜(4)のプロセスで決定しますが、所得の発生源泉による税負担を調整するために、税負担能力の違いに配慮した10種類の所得区分が設けられています。たとえば、同じ500万円を稼ぐのにも、一年間、一生懸命働いて稼いだ給料500万円と、既存の財産を売って得た500万円では、収入の発生理由が全く異なります。つまり、収入は収入でも、自分で働いて得た収入と財産を売って得た収入では、その税金の負担能力に差があると所得税法では考えるのです。 税金の負担能力という意味では(2)で説明した各納税者の個別状況を配慮する所得控除と似ていますが、所得控除は個人の家計や生活状況に着目しているのに対し、10種類の所得区分では、所得の発生源泉に着目しています。 この10種類の所得区分のうちサラリーマンが受け取る給与や賞与は、給与所得に該当します。ここでは、サラリーマンの税金にしぼってお話しておりますので、今回は、この給与所得についてのみお話します。他の所得については、今後、必要に応じてお話していきましょう。 (6)サラリーマンの必要経費とは? サラリーマンが給与を得るための経費というものを考えた場合、スーツやワイシャツ代、それらのクリーニング代、あるいは、靴や鞄の購入費用などが考えられます。しかし、スーツと言っても高いブランド品から格安スーツまで様々ですし、そもそもこれらの経費は、給与という同様の概念での収入でありながらも、支出の割合には個人差があるため、約5,000万人以上もの給与所得者全員に経費の計算をさせることは現実的ではありません。そこで、給与収入に応じた経費を概算で求める給与所得控除額を差し引く方法が認められています。したがって、サラリーマンの所得を求める場合の経費は、概算経費ということになり、この概算経費は、各個人の収入に応じた給与所得控除額となります。 この給与所得額から、(2)で説明した所得控除額を差し引き、後は、(3)で説明した所得税率を掛けることによって、税額が算出されるのです。 税額計算の仕組みが理解できたところで、次に制度上の仕組みを見てみましょう。 (7)源泉徴収と年末調整 サラリーマンが給与を受け取る場合、所得税が天引きされていますが、このように、収入の手取り段階で税金が天引きされることを源泉徴収といいます。所得税の源泉徴収額は、その月の給与の金額及び扶養親族等の数によって変化します。 実際の源泉徴収額は、以下の給与所得の源泉徴収税額表をみて判断することになります。
この源泉徴収税額表は、実際の税額表を一部抜粋したものです。表の見方は、次のようになります。 @一つの勤務先のみから給与をもらっている通常のサラリーマンであれば、甲欄の税額で、扶養親族等の数をみながら税額を求めます。A2ヶ所以上から給与をもらっている人は、乙欄の税額で計算します。たとえば、その月の給与が26万4千円で扶養家族が2人いるような場合の源泉徴収税額は、表にしたがって、6,010円ということになります。しかし、この人が他の会社からも給与をもらっている場合には、乙欄の税額32,500円ということになるのです。 このようにして、毎月の給与から源泉徴収される所得税は、その給与が1年間一定の水準で継続して支払われることを前提に計算されています。したがって、結婚や出産などで、その年中に扶養家族が増えるようなことがあれば、年間の所得税としては、源泉所得税を徴収しすぎという結果になります。反対に、給与収入がその年度の途中で急に増えるようなことがあれば、年間の所得税としては不足してしまいます。 勤務先では、その年最後の給与支払時において、一年間の正しい税額を計算します。上記の例のように、徴収しすぎの所得税があれば還付し、不足額があれば徴収するといった具合です。この年税額の精算手続きのことを年末調整というのです。つまり、毎月の給与から所得税が源泉徴収され、12月には年末調整によってその年の所得税額が精算されるという仕組みになっているのです。 (8)年末調整と確定申告 源泉徴収される所得税は、あくまでも仮に徴収される税金です。(7)で説明しましたように、乙欄の税額は、甲欄に比べればかなり割高となりますが、2ヶ所以上から給与をもらっている人は、年末調整だけでは終わらず、確定申告をしなければなりません。確定申告をすれば、2ヶ所以上の給与を合算してその人個人の所得を計算することになりますから、結局はそこで税金が精算されることになります。 一方、年収が2,000万円を超える高額所得者や副収入による所得が20万円を超える人は、確定申告が必要になります。また、年の中途で会社を退職し、年末調整を受けていない人も確定申告をする必要があります。さらに、医療費控除や雑損控除、住宅ローン控除等の適用を受けようとする人は、確定申告をすることによって、税金の還付を受けられる可能性があります。 以下の図は、確定申告が必要か否かをチャート形式にまとめたものです。まずは、このチャートにしたがって、自分の所得は年末調整で済まされるのか否か、確定申告をして還付を受けられる可能性があるのか否かを判断してみましょう。 このチャートで自分のポジションが把握できましたでしょうか? それでは、今回は、ここまでとします。 次回は、年末調整や確定申告で実際に、還付を受けるにはどうしたらよいのか、還付を受けるための所得控除や税額控除にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。 納税は、単なる義務感によってするものではありません。本稿を読まれる皆様が、税金に対する知識を増やし、納税に前向きな姿勢を持たれることが本稿での最大の目的です。それでは、また次回お会いしましょう! |
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第3回目へ続く |
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