2003/09/20

少子・高齢化の嘘

 昨日「時事問題情報コーナー」を更新した。来年度は年金の財政再計算の年に当たってるので、最近年金関係の記事が多いね。
 今日テレビで「少子・高齢化の嘘」ってのをやってた。しんちゃんも目からうろこが落ちたので紹介するね。
 僕らは、年金制度が危ないのは少子・高齢化のせいだって思ってるよね。世代間扶養のしくみを採用してる年金制度では、若い人が払う保険料で高齢者の年金をまかなわなきゃならないから、少子・高齢化がどんどん進むと、保険料収入は減少し、年金支出が増えてゆく。結果年金財政が苦しくなるのは当然だから、保険料値上げ&年金額減額の改悪を行わざるをえない、って図式だ。
 僕ら(しんちゃんも含めて)が当然のように信じ込んでたこの図式は、実は嘘だったんだって。厚生労働省による国民ごまかし策だったんだって!
 統計としては正しいんだと(さすがにそこまで嘘はつけないからね)。その説明にまやかしがあったってことなんだ。政府の説明では、「現役世代が高齢世代を支える」ってことになってるけど、実は現役世代が支えてるのは、高齢世代だけではなくて、若年層や専業主婦も入ってる。現役世代を「支える側」、高齢世代・若年層・専業主婦を「支えられる側」とすると、支える側の人の数と支えられる側の人の数との比率は、50年前とほとんど変化ないんだってさ!!!
 少子・高齢化だけで年金制度が崩壊することはありえないってこと。
 びっくりだよね。政府ってどこまで悪どいのって感じ。政府の人たちだってもともとは(って言うか今でも)日本国民なのに、どうしてこんなに日本国民の敵みたいに行動するんだろう。
 それはさておき、じゃあ、年金制度はどうして危なくなってるんだろうか。原因はいろいろあるけど、一言で言えば、「取るべきところから保険料を取ってないから」ってことだろうね。
 国民年金の保険料未納率が40%になったってのは紹介したよね。国民全員強制加入が建前の制度で未納率が40%もあったら、苦しくなるのはあたりまえじゃない。厚生年金だって同じ。企業の厚生年金離れは進んでるよ。不景気が長引いて企業経営が成り立たなくなっているような企業にとっては「厚生年金保険料なんか払ってられない」ってのは当然のことだし、そうじゃなくたって、出費は嫌なもんだ。今は、アルバイトや派遣で働く人が増えてるよね。アルバイトや派遣だって長時間働く場合は厚生年金強制加入だけど、加入させると保険料の半分を企業が払わなきゃならない。企業はこの負担が嫌だから、アルバイトや派遣の労働時間を無理やり抑えたり、本当は長時間働いてるのにそうじゃないように帳簿を操作したりしてる。
 高齢者には、所得や財産に関わりなく一律に年金支給ってのもおかしい。所得の少ない層にはきちんと年金を支給して、富裕層の場合はある程度年金の額を減らすなんて措置を取るべきだよね。もちろん、その辺の線引きは難しいけど。元気な高齢者の就労機会を増やして、保険料を払う側に回ってもらうっていう施策も必要だ。
 「だからこそ今回政府は、国民年金保険料の強制徴収に踏み切ったんじゃない。政府だってがんばってる。政府ばかりが悪いように言わないでよ」って言いたくなるかもしれないけど、でも、しんちゃはそれは違うと思う。政府の姿勢って、「払わない奴が悪い」だよね。払わない奴が悪いから無理やり徴収しようとする。そうじゃなくて、「どうしてみんな払わないんだろう」って考えるべきなんじゃないの?「払わないから無理やり取る」じゃなくて、「払わないんなら、払わない原因を探って根本から解決していく」ってふうにさ。
 みんなが保険料を払わない理由は、年金制度が信頼できないからだよね。いくら保険料を払ったって、将来自分が年を取る頃には年金制度は崩壊しちゃって年金はもらえないかもしれないって思うからだよね。それで今保険料を払えって方が無茶なんじゃない?
 どうして年金制度が信頼できなくなったのか。すべての責任は政府にあるよ。取るべきところからきちんと保険料を取れてさえいれば、年金制度の危機なんかありえなかった。取るべきところからきちんと取れるような制度を作り上げる努力を政府が怠って来たのが、すべての元凶さ。つまり、政府の無為無策が年金制度の危機を生んだってこと。総裁選なんかに汲々となってる暇があったら、もっとちゃんと政治やってよ!