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<速読こそすべて>

きつねのイラスト速読こそすべて(3)


2、私の速読体験
 (1)速読との出会い
 ここで自己紹介を兼ねて、私と速読とのかかわり、そして、速読が私にもたらしてくれたものについて、お話ししましょう。
 私と速読との出会いは、20歳のときです。田舎の高校で劣等生だった私は、大学受験(三流大学含む)にことごとく失敗しました。まあ、頭が悪いのだからしかたないか、と失意のうちに自分に言い聞かせたことを覚えています。
 東京に出て予備校通いが始まりましたが、なにせ、田舎の高校でも後ろから数えたほうが圧倒的に早い、とびっきりの劣等生。一所懸命勉強はしたのですが、予備校生活はついに3年目に突入しました。
 そんなある日、予備校から3畳一間のアパートに帰る道すがら、ふと入った書店でたまたま手に取った本がありました。松本道弘氏著「速読の英語」(プレジデント社)。特に英語が苦手科目だった私は、この本に非常に興味を覚え、さっそく購入して目を通しました。
 この本に書かれていたことは、毎日の勉強に疲れ果てていた私にとって、驚くべきものでした。松本氏は、一度も海外に行かずに速読によって英語をマスターされ、NHKテレビ英会話ステップ3の講師にまでなったのです。
 それから私の速読への挑戦が始まりました。タイムやニューズウィークなどの英語で書かれた雑誌を、読みあさります。英語力などなきに等しい私ですから最初はまったく理解できませんでしたが、速読の持つ威力(本書で徐々に解明していきます)によって、少しずつ理解できるようになっていきました。
 そしてあの驚くべきできごとは、速読に取り組むようになって、わずか1か月後におとずれました。その日、いつもの癖でテレビのスイッチを入れ、NHKの英会話ステップ3にチャンネルを合わせました。もちろんまったく理解などできないのですが、英語を聞いているだけでなんとなく気が休まるので、この番組は私のお気に入りだったのです。
 インタビューアーとゲストが英語で話し始めた瞬間のことです。私は頭を硬いかなづちでガツンと殴られたような衝撃を受けました。
 なんと、以前はただ呪文のようにしか聞こえなかった英語が、ちゃんと理解できるではないですか。もちろん、ステップ3の英語はレベルが高いですから、すべてを理解できるわけではありませんが、それでも7割くらいは意味が取れるのです。
 このとき私は速読の威力を思い知りました。速読を始めてわずか1か月ですから、速読家としてはほんの“駆け出し”です。それが、中学、高校、予備校(2年間)を通じてずっと英語を学んでも果たしえなかったことが、いとも簡単に実現できてしまったのです。これが驚きでなくてなんでしょうか。
 そう、あの瞬間に私は、速読に“惚れて”しまったのです。
 それから私は、どんどん速度にのめり込んでいきました。私の英語力は飛躍的に伸び、松本氏の指摘のとおり、同時に日本語力も伸びました。国語と英語の成績が伸びると、不思議なことに、暗記科目である世界史の成績も短期間で格段に伸びました。おそらく、自分に自信が持てるからでしょう。おかげでめでたく、希望の大学にも合格することができたのです。
 私はけっして速読学校に通おうとは思いませんでした。なぜなら、松本氏が速読により英語を修得されたのも、やはり独学であったからです。氏と同じ道を歩み、ゆくゆくは同時通訳になろうと志した私にとって(けっこう単純な思考回路の持ち主です)、学校に通うという“ずるい”手段をとることは、どうしてもプライドが許さなかったのです。
 私の読書スピードはどんどん向上しました。英語の読書スピードが伸びれば、日本語を読むスピードもまた向上します。
 最終的には事情があって英語の道は断念しましたが、日本語の速読は残りました。それから20年後の今日に至るまで、ずっと速読と向かいあってきたのです。

 (2)速読が人生を変えた
 大学を卒業してからは、7年ほど普通のサラリーマンをやりましたが、33歳のときに社会保険労務士の資格を取り、翌年独立しました。今年で、開業6年目です。現在の仕事は、大手予備校での社会保険労務士試験受験指導、講演、企業研修、書籍や雑誌の執筆などですが、私の仕事を根本から支えているのは速読です。速読を実践していなければ、今の私はありえないと断言できます。
 速読は日本語の力を伸ばします。また、柔軟に考え、周囲の状況を察知して行動する力も身につきます(頭が良くなるということ)。
 たとえば、受験指導。私の講義は論旨明快で大変わかりやすいといわれます。なぜかといえば、速読により日本語力が伸びたからです。知識の価値は、自分で抱えている間はゼロで、他人に伝えることができてはじめて生まれます。伝える手段は言葉です。言葉の能力が向上する、すなわち論理的にわかりやすく話すことができるようになれば、良い講師といわれ、人気講師となるのも当然のことです。
 話すことも書くことも、同じ日本語を使って行います。論理的に話せる人は論理的に書くこともできます。私はこれまで20冊程度の本を書いていますが、そのどれもが読者の評判はいいようです。なぜなら私の書く文章は、短文で論理的だからです。読者の方々から、「とてもわかりやすい」とのお手紙をよくいただきます。
 さらにいえば、私の頭の中には、新しい本の企画が次から次へと浮かびます。これも速読によって、柔軟な発想ができるようになったからにほかなりません。
 なんだか自慢話のようになってしまって恐縮ですが、自慢することが本意ではありません。私はあたなに速読のすばらしさを知っていただきたいのです。三流大学にすら入れなかった劣等生の私が、社会保険労務士の資格を取得し、本を何冊か執筆し、講演や企業研修で飛び回ったりできるのも、すべて速読のおかげなのです。
 私はけっして自分が偉いとは思っていません。私が人と違うのは、ただ速読をやったという点だけなのです。
 とにかく、一度私にだまされてみてください。速読に取り組んでみてください。方法論は本書の中でご提示します。きっとあなたも速読のすばらしさを実感されることでしょう。

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