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どうすれば成功できるのか しかし、前号を読み終えた後のあなたの気持ちは、「では、試験に合格したら、すぐに開業しよう」とのレベルまで高まってはいなかったはずです。なぜならあなたは、"開業社労士になる"ことは簡単でも、"開業社労士を続けていくこと"は容易でないことを知っているからです。あなたはきっと、開業社労士を続けていけるかどうかについて、さまざまな不安をお持ちのことでしょう。そこでしばらくは、あなたが抱いているであろう不安のいくつかを取り上げ分析すると同時に、私なりの処方箋もご提示していきたいと思います。今号のテーマは、「実務経験は必要か」です。 実務経験は必要か 私は受験指導を主要業務の1つとしていますので、受験生の方々と日々接します。「合格したら開業したい」とおっしゃる方は、ほぼ例外なく「社労士事務所に2〜3年勤めて経験を積んでから開業したい」とおっしゃいます。私が「合格後すぐには開業しないのですか」と聞くと、「何の経験もない状態で開業して成功できるわけがないではありませんか」との答えが返ってきます。さも、「この先生、何をばかなことを言うんだろう」と言わんばかりの口調です。 本当に実務経験は必要なのでしょうか。常識を疑ってみるところから、新しい発想が生まれます。ちょっと立ち止まって考えてみましょう。 1)実務経験なしでは成功できないのか この点については、私は胸を張って「そんなことはない」と断言できます。なぜなら、私自身が実務経験ゼロで開業した人間だからです。サラリーマン時代はずっと営業中心の仕事をしてきましたから、社労士の実務などには縁もゆかりもありませんでした。 恥ずかしい話ですが、社労士の勉強を始めるまでは、「厚生年金って何?」というような人間だったのです。 この連載の初回で、あなたは私を「成功した人間」と認めてくださいましたよね。実務経験がまったくない私が成功できたのですから、「実務経験なしで成功できない」ことは絶対にないと、納得していただけるものと思います。 ちょっと話は逸れますが、あなたは私を成功した人間と認めてくださいましたが、実は私自身は、「自分はまだ発展途上にある」と考えています。現状に満足することなく、常に前だけを見て前進して行かなければならないと、いつも自分に言い聞かせています。 2)実務経験がないと、開業後大いに困るのか 実務経験がないと、開業後大いに困るのでしょうか。結論から先に言えば、そんなことはありません。世の社労士事務所のほとんどは、1・2号業務(手続業務)を主力業務としていますから、あなたが社労士事務所に勤めれば、ほぼ例外なく1・2号業務の実務経験を積むことになります。私は、自分の経験から自信を持って言えるのですが、1・2号業務の実務経験がなくても、開業後さほど困ることはありません。 理由は、「1・2号業務は簡単」だからです。 そもそも、1・2号業務は、全国すべての会社がやっているのです。うち2割ぐらいは委託を受けて開業社労士がやっているとしても、残りの8割の会社では、人事担当者や小企業の場合は社長や社長の奥さんが、ちゃんとこなしているのです。言ってみれば「1・2号業務は誰にでもできる」のです。 全国の人事担当者、社長、社長の奥さんのほとんどは、社労士の専門知識を持ち合わせていません。"しろうと"である彼らが、どのようにして1・2号業務をこなしているかを考えてみましょう。 書類の書き方が分からないとき、彼らはどういう行動をとるでしょうか。おそらくほとんどの人が、まず書店に足を運ぶでしょう。なぜなら、「書類の書き方」の解説本がたくさん出版されているからです。うち1冊を購入しさえすれば、あらかたの書類は正確に書けてしまいます。 それでもときに、書籍だけでは正確に書けない書類もあります。そんなとききっと彼らは同僚や、小企業の場合は自分と同じように会社を経営している友人に聞くことでしょう。 それでも分からないときは、書類の提出先である役所に電話するなり、足を運ぶなりして確認するでしょう。役所の担当者は懇切丁寧に教えてくれます。それが担当者の仕事なのですから、当然のことです。 お分かりいただけたでしょう。社労士の専門知識を持たない"しろうと"でさえ、このようにしてちゃんと1・2号業務をこなしているのです。豊富な専門知識を持っているあなたに、できないはずがないではありませんか。 私も1・2号業務に手を染め始めた頃は、書類がまったく書けませんでした。しかし、先に書いたような方法を使い、どうにかこうにかこなしていったのです。やっと書き上げた書類を役所に持参したときに、事業主さんのハンコ1つが抜けていたために突っ返しをくらったこともありましたが、事業主さんに包み隠さず打ち明けると、快くハンコを押してくれました。そのときは仏の事業主さんに見えたのですが、後で考えるとそれは当然のことでした。役所に再度足を運ぶ手間をかけなければならないのは私であって、事業主さんはハンコを押すだけでいいのですから。事業主さんとしては、笑い話にこそなれ、怒るようなことではなかったわけです。
では何が必要なのか 開業して成功するために、1・2号業務の実務経験は必ずしも必要ではないことは、分かって頂けたものと思います。では、何が必要なのでしょうか。言葉を換えれば、成功のための最重要アイテムは一体何なのでしょうか。 それは営業力です。あなたが開業して社労士の看板を掲げたところで、顧客が向こうから来ることはまずありません。あなたは、自分の営業力をフルに使って、顧客を開拓しなければならないのです。考えてもみてください。実務経験がいくらあったって、顧客がなくて仕事そのものができなければ、何の意味もありません。逆に顧客さえつかんでしまえば、実務など、先に書いたように何とかなるものなのです。 こう書くと、これまで営業の仕事の経験がない方は、「じゃあ、私はだめなんだ」とお考えになるかもしれませんね。そうではないのです。ここは特に大切な箇所ですから、じっくりと読んでください。 私自身が営業を何年もやった人間ですから自信を持って言えるのですが、営業とはテクニックではありません。ベラベラしゃべる営業マンが必ずしも良い営業マンとは限らないのです。訥弁でもいいから、誠心誠意、真心で接する営業マンの方が、より顧客には信頼されるものです。要は、あなたの真心、熱意を相手に伝えること、それが営業なのです。 「そんなこと言ったって、真心や熱意の伝え方が分からない」とあなたはおっしゃるかもしれませんね。なに、簡単なことです。あなたの中に、あふれるほどの真心と熱意があれば、それでよいのです。あなたの中にあふれんばかりに蓄積された真心や熱意は、あなたが顧客と話すとき、特別にあなたが意識せずとも、あなたの目や全身からあふれ出し、空気を伝って必ず顧客の心に届くものなのです。 ただ1つだけ、テクニックめいたものを披露しておきますと、人と話すときは、相手の目を見るようにするとよいでしょう。「目は口ほどにものを言う」といいます。あなたの目の焦点を相手の目にしっかり合わせておかないと、あなたの中にある真心や誠意が、相手に存分に伝わらないのです。これは大変にもったいない話ですから、常に相手の目を見て話すことを心がけてください。 でも、社労士事務所勤務にも価値はあるのでは 開業して成功するために、社労士事務所勤務は必ずしも必要ではないことは、分かっていただけましたよね。「でも、やっぱり経験しておけばきっと後で役に立つこともあるだろうから、一応経験しておきたい」という方を、むりやり羽交い締めにして止めるつもりはありません。人それぞれ考え方がありますので、あなたなりの道を進んでいただければよいのです。 ただし、1つだけ申し上げておきたいことがあります。多くの人が、試験合格当時は希望に燃え、気力も充実しています。「何としても開業して成功してやるぞ」との決意を胸に刻む人も少なくありません。しかし、人間とは弱いもので、2〜3年、社労士事務所勤務を続けるうちに、この気力が萎えてしまうことがあるのです。社労士事務所などいわゆる丁稚奉公ですから給料も安いのですが、かといって「開業するのはやっぱり怖いしな」ということで、ずるずると社労士事務所勤務を続けてしまうことにもなりかねません。 私の個人的考え方ですが、夢に向かって突き進むなら、スタートは少しでも早い方がいいと思います。開業すると、気力と体力だけの勝負になります。軌道に乗るまでの間は24時間営業でがんばり抜く精神力が必要なのです。体力はともかく気力が萎えた状態で開業しても、失敗は目に見えています。どうせやるなら、失敗したくはないでしょう。それならばぜひ早いうちに、というのが私の考え方です。 そうは言っても、「どうしても社労士事務所勤務をする」という方もいらっしゃるでしょうから、ここで、社労士事務所勤務の利点についても考えておきましょう。 1)1・2号業務のみでなく、ときに3号業務も経験できる 社労士事務所での業務のほとんどが1・2号業務ですが、ときに3号業務が舞い込んでくることもあり、あなたが担当できるかも知れません。1・2号業務と違って3号業務は決まった形がないので、経験しておくのは良よいことです。 2)営業をやらせてもらえるかも知れない 1・2号業務ばかりでなく、ときに顧客開拓のための営業もやらせてもらえるかもしれません。私がいくら「営業に経験はいらない」と力説しても、「それは経験者だから言えること。私はやっぱり不安です」と切り返されたらそれまでです。社労士事務所で営業職に就ければ、サラリーを保障されながら、経験を積むことができます。 3)先輩社労士の仕事ぶりを見ることができる。 あなたはまだ、開業社労士が毎日の仕事をどのようにこなしているかについて、まったくイメージがわかないことでしょう。社労士事務所に勤めれば、開業社労士の日常を目の当たりにすることができます。ただ、注意しなければならないのは、先輩社労士の日常が、すなわち全社労士の日常ではない、ことを忘れないことです。 同じ社労士でも、人によって仕事内容はだいぶ違います。1・2号業務中心の人もいれば、3号業務中心の人もいます。私のように4号業務ばかりをやっている人だっているのです。あなたが勤務する社労士事務所の先輩社労士をすべてと思ってしまうことは、開業後のあなた自身を型にはめてしまうことにもなってしまいます。 どうせやるなら、人がやらないことをやって成功したいと願うのは私だけでしょうか。 社労士事務所の求人がないのだけど 以上、社労士事務所で経験を積むことの是非について論じてきました。私の言いたいことは、分かっていただけたものと思います。まとめて言えば、社労士事務所に勤務するもしないも当然あなたの自由ですが、勤務しなくても開業後さほど困ることはないということです。でも、勤務すればしたで、それなりに得るものも多々あることは事実です。 では、社労士事務所に勤めるとして、どうやって社労士事務所の求人を探したらよいのでしょうか。すぐに思いつくのは、新聞の求人広告、リクルート雑誌、ハローワークの求人票などですが、実は社労士事務所の求人はほとんどないのが現状です。なぜなら、自分1人でやっている社労士が圧倒的に多いからであり、人を雇える規模の社労士事務所は数が少ないからです。 長引く不況の影響もあります。人を雇える規模の社労士事務所でも、顧客の数が徐々に減っていく状況の中では、人を雇う余裕などないのがホンネなのです。 「なんだ、結局、言いたいことは、社労士事務所に勤務しようったって現実的に無理だから、あきらめてすぐに開業する道を選びなさいってことなのね」などと言ってはいけません。ここで私はあなたに、1、そんな状況の中でも社労士事務所を見つける方法、2、開業して成功するための極意、という"お宝"を伝授しようとしているのです。人の話は最後まで聞くものですよ。 ほとんどの人は、「求人がないからだめだ」とすぐあきらめてしまいますが、それではだめです。そこで、「なんとか方法はないだろうか」と頭を使って考えることが、成功するための秘訣です。人と同じところで立ち止まっていては成功は望ません。人があきらめてからが勝負なのです。知恵を絞って考え、打開策を見つけましょう。 私はよく、「どうして待っているのですか」と言います。社労士事務所を探している人たちの多くは、新聞やリクルート雑誌に「求人情報」が掲載されるのを待っています。待っているからだめなのです。チャンスが向こうからやってこないのなら、こちらから捕まえに行けばよいではないですか。求人情報を出している社労士事務所ばかりが人を欲しているとは限りません。実際、求人情報など出していなくても、「優秀な人はいつでも欲しい」が、社労士事務所に限らず、経営者の本音であるはずです。 電話帳を調べて、社労士事務所に片っ端から電話攻勢をかけましょう。「私を雇ってください」と、熱意を持って語るのです。100件もかければ、最低でも1〜2件は引っかかってくるものです。とにかく、あきらめてはいけません。しつこいほどに貪欲に目的に向かって突き進むのが、成功するコツです。 現在の真島からちょっと補足 |
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