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どうすれば成功できるのか
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 引き続き4号業務の話です。現在私が行っている4号業務は、以下のようなものがあります。

1 受験指導
2 書籍執筆
3 新聞・雑誌の記事執筆
4 講演
5 企業研修

 このうち1と2は前回お話ししましたので、今号では3,4,5についてご説明することにします。

1)新聞・雑誌の記事執筆
 試験に合格すると、通っていた専門学校を通じて、雑誌の取材の話が舞い込んでくることがあります。「栄えある社労士試験合格者」としてインタビューを受け、顔写真とともに掲載されるのです。日頃マスコミに縁のない人がほとんどですから、これだけでも舞い上がってしまうものです。私も、このような形で何度か雑誌に登場し、その都度テレフォンカードなどをもらっていましたが、私がここでいう「新聞・雑誌の記事執筆」とは、もちろんそのようなものを指すのではなく、「出版社や新聞社から依頼を受け、専門分野の記事を執筆する」ことです。
 世は社労士の専門分野ブームです(表現は適当でないですが)。国民医療費・老人医療費の高騰(医療保険)、年金の改正(年金保険)、介護の社会問題化(介護保険)、少子・高齢化による年齢構造の変化や女性の職場進出からくる労務管理の複雑化(労務管理)や労働問題の多発(労働法)といった形で、社労士の専門分野が新聞やニュースをにぎわさない日はありません。特に日経新聞の一面トップの記事は、ほぼ毎日と言ってよいほど、社労士関連です。
 そのような状況ですから、必然的に専門家である社労士が記事執筆を担当する機会も増えます。私は多くの雑誌や新聞に記事を書いてきましたが、最近のものを挙げれば次のとおりです。

<最近の私の執筆歴>
媒体 発行元 内容
「くらしと保険」 生命保険文化センター 医療保険の概要
「ヘルス&ライフ」 研友企画出版(法研) 定年準備の年金講座(監修)
「Life Plan」 近代セールス社 年金制度の概要
全国の地方新聞 共同通信社(配信) 年金のコラム

 出版社や新聞社は、どのようにして執筆者を探しているのでしょうか。
 私の経験から申し上げれば、書籍によるところが大きいようです。出版社や新聞社が執筆者を探すときは、まず担当者が大きな書店に出向きます。そこで関連書籍を片っ端から見ていき、ターゲットを絞るのです。選考基準は、@文章がうまいかどうか(分かりやすい文章を書けるかどうか)、2、専門知識が豊富かどうか、などであるようです。
 目星をつけたら、連絡先を調べて、直接著者にかけあうという手順を踏みます。
 ここからも、"名前を売る"ことがいかに大切かがお分かりいただけるでしょう。社労士として一匹狼で生きていくのならば、何が何でも名前を売ることに専念するべきです。名前さえ売れれば、仕事は向こうからやってくるものです。次から次へと仕事が舞い込んできて、選別しなければ到底こなしきれない事態に陥ってしまいます(私は、開業当時は、「ご依頼いただいた仕事は全てお引受けしよう」との誓いを自分自身に立てましたが、現状ではとても誓いを守りきれません)。
 やはり、本の効果は大きいようです。日本人はどうも活字に弱いところがあります。活字になってさえいれば、すべて正しいと信じ込んでしまうのです。同じ理屈で、本を書いている人は、とんでもなく偉い人に見えてしまいます。その傾向は、程度の差こそあれ、専門の出版社の編集者や新聞記者も同じであるようです(そこがわれわれのつけ目なのですよ)。
 コネも何もない状態から本を出版する方法は、前号でお話ししました。正直言って、書いてしまってから相当後悔しています。あんな"おいしい"話を、こんなに"ホイホイ"と提供すべきはなかったなと…。
 よい本を執筆すれば、出版社や新聞社から記事執筆の依頼が来ます。ここで大切なことは、雑誌や新聞に記事を載せれば、さらに名前が売れるということです。社労士が書く専門書は、せいぜい売れても1〜2万部ですが、新聞、雑誌となると発行部数が桁違いです。それだけあなたの名前が人目に触れる機会が多いのですから、あなたの名前は加速度的に売れていくというわけです。
 ただ、お断りしておきますが、新聞や雑誌の執筆は、それ自体ではあまりお金になりません。人によっても違いますが、平均的なところを言うと、雑誌の1ページで1〜2万円程度でしょうか。新聞でも似たり寄ったりです。新聞や雑誌の記事執筆で儲けようという邪心は捨てた方がよいでしょう。あくまでも"名前を売るための手段"として位置づけるべきです。

<新聞・雑誌の記事執筆の効果>
1 名前が売れる(書籍の執筆よりも効果大)
2 世の中から尊敬される
3 黙っていても仕事がくるようになる
4 次に説明する"講演"の依頼が来るようになる

2)講演
 社労士として本を書いたり新聞・雑誌に記事を載せたりしていると、いずれ講演の依頼が舞い込んできます。テーマとしては、「公的年金の将来」、「企業年金の現状」、「介護保険のしくみ」、「セクハラ問題」などが多いですね。
 講演はさほど長時間ではなく、長くても2時間、通常は1時間半程度ですが、報酬は抜群で、どんなに安くても10万円は下りません
 講演では、何をどう話したらよいのでしょうか。控えめなあなたは、「人前で話したこともあまりないのに、講演なんて絶対にできるわけがない」とお考えになるかもしれませんが、そういう消極思考が開業社労士にタブーであることは、前にもお話ししたとおりです。「絶対できないに決まっている」ではなく、「どうしたらできるか」を考えましょう。
 簡単なことです。聴衆の身になって考えればよいのです。1時間半から2時間の時間の中で聴衆が何を期待しているか、あなたが何をどう話せば彼らがもっとも喜んでくれるか、を考えればよいのです。
 聴衆のほとんどは、ずぶの素人です。当然ですが、難しくてわけの分からない話など聞きたくはないはずです。楽しくそれでいてためになる話を聞きたいはずなのです。
 となれば、あなたが採る道は一つです。難しい話や難解な専門用語などは避けて、できるだけおもしろおかしく話をすればよいのです。
 つまらない冗談の一つも言ってみましょう。実は"つまらない"と思っているのはあなただけで、聴衆は案外笑ってくれるかもしれません。仮に笑ってくれないときは、あなたが1人で大笑いしてごまかしてしまえばよいのです。それくらい図太い神経が講演者には必要です。冗談そのものはおもしろくなくても、大笑いしているあなたを見て聴衆は緊張を解いてくれ、次の冗談ではきっと笑ってくれることでしょう(そう、あなたも緊張するでしょうが、聴衆とて緊張するのです。お互いさまなのですから、そんなに硬くなることはありません)。
 私にとって、講演はもっとも楽で金が儲かるよい仕事です。人前で話すことにはもう慣れています。冗談をうまく使って聴衆の心をつかむ術も知っています。ほとんど準備もせずに好きなことをしゃべって、それでいて多額の報酬が手に入るのですから、笑いが止らないではありませんか(不謹慎で申しわけありません)。

<講演という仕事の価値>
1 聴衆はほとんど素人なので、楽である
2 報酬が高い
3 名前が売れる
4 人前でしゃべる訓練になる

3)企業研修
 私がはじめて企業研修に触れたのは、社労士の受験講師の仕事をしていた専門学校から、話を頂いたときです。この学校は大手ですので、資格試験の受験指導のみならず、企業研修も実施しています。たまたま新任管理職研修の話があったので、私に声がかかったというわけです。
 当時、受験指導はある程度経験していましたが、企業研修など生まれて初めて。しかも新任管理職と言えば、私より年上の方がほとんどです。「変なことを言ったら怒られる」との強迫観念にとらわれながら、おそるおそる会場に出向いたものです。
 ところが、「案ずるより生むがやすし」とは良く言ったもので、実際やってみると、受験指導よりもずっと楽でした。考えてみれば当たり前のことです。受験講座に通っている方々は、自らお金を払い、かつ「何が何でも合格する」との意欲に燃えていますので、講義を聞く態度は真剣そのものです。
 それに引き換え企業研修は、「忙しい仕事の時間をつぶして、出たくもない企業研修にむりやり行かされている」のですから、ほとんどの人が真剣味はありません(一部真剣な人もいますが)。もちろん、だからといってこちらも手を抜くわけではありませんが、時々寄せられる質問のシビアさが違いますので、必然的に企業研修の方が楽なのです。
 結局私も、びくついていたのは最初の1時間だけで、後はおもしろおかしく楽しく務めることができました。
 その後、産能大学とも契約する機会を持つことができ、さまざまな会社の研修を担当しました。いろいろやってみて思うことは、参加者の態度が、業界によって全く異なることです。あえて詳述は避けますが、なかには私の話をまったく聴く耳持たない受講者がいる業種もありました。最初から、「何をこの若造が」と言わんばかりの態度なのです。その方は、とうとう最後まで心を開いてはくれませんでした。
 最近では、書籍や新聞・雑誌の記事から私を探し当てたという依頼が増えてきました。最近の私は猛烈に忙しいので、東京周辺以外の依頼は基本的にお断りすることにしています。
 企業研修の内容について、お話ししましょう。
 テーマで最も多いのは「新任管理職研修」ですが、ときに「経営者研修」があったり、「新入社員研修」があったりします。「新入社員研修」は電話のかけ方やお辞儀の仕方を教える研修であり、社労士の専門知識を生かせる仕事ではありませんが、何事も経験です。依頼があったら、やってみたら良いでしょう。
 「新任管理職研修」では、「法律をベースにした部下の使い方」を教えます。新任管理職とは、"昨日までは使われる側だったが、今日から突然使う側に回った人たち"です。彼らは、人を使うには労働関係の法律を守らなければならないというイロハすら知らないのですから、法律の話をできるだけかみくだいて説明してあげれば結構です。たとえば、「アルバイトにも有給休暇をあげなきゃいけないんですよ」といったごとくです。
 企業研修も、やってみればさほど難しいものではありません。「おもいしろおかしくかつためになる」をモットーとすれば、あなたもきっと素晴らしい講師になれることでしょう。「人前で話す訓練ができてお金がもらえる"おいしい"仕事」と位置づければよいのです。何事も積極思考でいきましょう

<企業研修のやり方>
1  基本的には講演と同じで、"おもしろおかしくかつためになる"をモットーに
2  ただし、時々鋭い質問が来ることがあるので、要注意
3  あなたの専門知識は、あなたが想像する以上に豊富。「聴いている人はどしろうとなのだ」との認識を持って、噛んで含めるように話す方が、聴衆によく理解してもらえる
4  時々名指しで答えてもらう。双方向コミュニケーションが大切

4)年金相談
 ついでと言っては何ですが、最近携わる社労士が多い、「年金相談業務」についてもご説明しておきましょう。
 国民・厚生年金などの公的年金は、受給者の金融機関の口座に振り込まれます。ところであなたは、現在公的年金(国民・厚生・共済年金)の1年間での支払額をご存知でしょうか。何と35兆円です。国家予算が80兆円程度ですから、年金がいかに巨大なお化けかわかりますよね(もちろん、国家予算から支払っているわけではなく、われわれが支払う年金保険料が主な財源です)。
 さらに近年の高齢化の波を受けて、この額は毎年4〜5兆円の規模で増え続けているのですから、気が遠くなりそうです。
 これほど大きな市場ですから、各金融機関は、年金口座獲得に血まなこになっています。あなたも町を歩いていて、金融機関の支店で「年金無料相談会実施」の張り紙を見つけたことがあるでしょう。なぜ"無料"なのかと、疑問を感じたことはありませんか。
 銀行は無料で年金相談会を実施します。相談会にきた顧客の質問に誠心誠意答え、場合によっては年金の裁定手続きを代行します。そのような"サービス"を提供し、自行の心証を良くするのです。
 感じ入った顧客は、その支店に年金口座を開設するという寸法です。
 無料相談会の相談員は、その金融機関の行員が担当すればよいのですが、何せ公的年金の制度は複雑すぎます。 銀行員は毎日何かと忙しくて年金を勉強する暇がありませんので、なかなか年金の専門家は育たないのが実状です。
 そこで、専門家である開業社労士にお声がかかることになります。開業社労士が相談員として座り、報酬はその金融機関から受け取ります。額は金融機関によっても異なりますが、最低でも1日4〜5万円はいただけるようです。
 あなたも、社労士試験の勉強を突き詰めていけば、そのうちお分かりいただけると思いますが、年金制度は本当に複雑です。受験生みんなが年金は苦手ですし、合格した人でも、年金が得意な人はあまりいません
 でも、だからこそ、商売道具としては最適なのです。年金が得意な社労士になれば、他の社労士との差別化ができることになります。なかには、年金相談だけで優雅な生活をしている社労士もいるくらいです。
 また、その金融機関の顧問となり、行員対象に年金を教えるという手もあります。商売という点で言えば、細かい年金相談の積み重ねよりも、こちらの方が一気に多額のお金を稼げますので、効率がよいですよね。

<年金相談のうまみ>
1 年金の専門家は社労士の中でも少ないので、寡占状態を演出できる
2 特定の金融機関に信用を築けば、多くの仕事を回してもらえる
3 年金相談は人生相談にもつながり、社会貢献のできる素晴らしい仕事である

私の仕事のまとめ
 私自身の仕事について、お話ししてきました。以前は1・2号業務が中心でしたが、今は3号、いやむしろ4号業務が中心です。私は、第1回目でお話しした鈴木君の影響を受けて社労士業界に入ってきました。彼もまた4号業務中心の社労士でしたので、私の進む道はおのずずと決まっていたと言えるでしょう。
 現在私が手がけている4号業務は、私にとってまさに天職というべきものです。文章を書くことが好きですし、人前で話すことも大好きです。二度の転職を経験して少々回り道をしましたが、30代前半で天職に巡り合えたことを、私は心から運命に感謝しています。
 この仕事は、身体が続く限り続けるつもりです。

 これまでは、私自身のことばかりお話ししてきました。多少食傷ぎみの方もいらっしゃるかもしれませんが、人の経験談を聞くのは一番の勉強です。私の話も、あなたの今後の人生において、何かしら必ずプラスになると信ずるからこそ、長々と紙面を使ってお話ししたのです。
 私の話は今回で終わり、次号からはあなたの話です。あなたが開業するときは、"実際のところどうしたらよいのか"といった具体論を展開していきます。

その(6)に続く

現在の真島からちょっと補足
 今回は特に補足すべきことはありません。社労士資格が将来性豊かなすばらしい資格であるという事実は、現在でも何ら変っていないからです。
 いやむしろ、社労士資格の価値は、さらに増したというべきかもしれません。社会保障の諸制度はその後も法改定を重ね、ますます複雑化しています(医療費や年金の支払額も、加速度的に増えています)。混迷の度合いを高める時代において、専門家である社労士の活躍の場は、今後ますます増えていくことでしょう。


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