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どうすれば成功できるのか 受験指導業務の実際その3 くどくて申し訳ありませんが、今号も受験指導業務についての話を続けます。今号でテーマとするのは、「受験指導業務の価値」です。あなたが受験指導業務に携わることが、T、社会的にどの程度の価値があるのか、U、あなたにとってどのような価値を生むのか、の両面から考えていくことにします。 T、社会的価値は この点は、いまさら多くを語る必要はありませんよね。受験指導業務の社会的価値の高さについては、衆目の一致するところです。 社労士試験の受験生は皆、社労士資格に己の夢を賭けています。独立開業をして一国一城の主になりたい人、勤務社労士として社内で存分に活躍したい人など、人によって夢の形態はさまざまでしょうが、「何が何でも合格したい」との気持ちは全員が同じであるはずです。 しかし残念なことに、社労士試験は合格率約8%の難関資格です。彼らの中で独力で合格できる者など、ほんのわずかにすぎないのです。 そこであなたの出番です。彼らの中で専門学校通学を選択した者達が、あなたの受講生となります。あなたの仕事は、彼らの夢の実現の手助けをすることです。独力では合格できないかわいそうな駄馬達(表現が適切でない点はお詫びします)を、あなたの力で見事なサラブレットへと成長させる、これがあなたに課せられた使命なのです。 これはたとえば言うならば、哀れな人間たちに救いを授ける天使の仕事と同じです。天使の仕事の社会的価値については、その高低を論じること自体間違っていますよね。 U、あなたにとっての価値は あなたが受験指導業務に就くことは、あなた自身にとって、どのようなメリットがあるのでしょうか。確かに受験指導業務は最大限に社会貢献ができるすばらしい仕事ですが、他人の役に立ってばかりでは、どうもつまりません。他人の役に立つと同時に、自分自身にも大きなメリットがあってはじめて、人は最大限の充実感を味わうことができるものです。 具体的には、以下の2点のメリットが考えられます。
1、受講生の合格によりあなたも充実感を得ることができる。 受験指導業務がとても大変であることは、先に書きました。毎日の予習のハードさは筆舌に尽くし難いものがありますし、講義中も、わかりやすい講義をしなければいけない、絶対嘘が言えない、といった目に見えないプレッシャーに身が細る思いがするものです。 そんなつらい毎日が報われる日がやってきます。それは、合格発表の日です。あなたの受講生が合格したときは、本人はもちろんですが、あなたも本人と同程度、もしかしたら本人以上の喜びを味わうことができるものです。「自分が教えたからその受講生は合格できた」かどうかは別にして、自分のクラスで自分の講義を聴講していた受講生の合格は、単純に嬉しいものです。 ましてや、合格した受講生からあなたに直接お礼の電話が入ったりしたときに感じる喜びは、何ものにも変え難いものでしょう。その瞬間に、1年間の苦労がすべて吹っ飛んでしまい、「よし、また1年がんばろう」との強い決意を新たにすることができるのです。私自身、あのときほど、「受験講師をやっていてよかった」と感じることはありません。 私の場合で言えば、電話などで合格のご報告を寄せてくださった方々の多くと、その後も懇意にさせて頂いています。受験時代は先生と生徒でしたが、合格してしまえばもう同じ夢に向かって前進を続ける仲間です。このように、ささまざまな業界の方々と友人になる機会を多く持てる点も、講師の魅力の一つと言っていいでしょう。 2、あなた自身の知識を充実させることができる。 「開業社労士になることは商売人になることである」ことは、前に書きました。商売とは、商品を販売して代金を頂くことです。開業社労士の商品は何でしょうか。 それは専門知識です。開業社労士にとって商売とは、労働法、社会保険、労務管理などの豊富な知識を切り売りすることなのです。 開業社労士にとって、豊富にして高度な専門知識が、いかに大切なものであるかがおわかり頂けるでしょう。 これ以降は、専門知識を身につける方法について、考えてみましょう。まずは開業社労士に必要な専門知識の種類からです。 社労士にとっての専門知識は、大きく、1、机上の勉強で獲得できる知識、2、実務経験から獲得できる知識、の2つに分けられます。机上の勉強で獲得できる知識とは、社労士試験の出題範囲である、法律群、労務管理の手法、白書の内容などを指します。一方、実務経験から獲得できる知識とは、たとえば、具体的な社会保険関係の書類の書き方、役所との折衝方法などです。 実務経験から獲得できる知識を身につけるには、まさに実務経験を積むより他ありません。1.2.3号業務を手がける中でノウハウを磨いていってください。 私がここで問題としたいのは、1の机上の勉強で獲得できる知識です。机上の勉強で獲得できる知識も、大きく次の3種類に分類できます。
@受験勉強の範囲の知識 あなたが受験勉強中に学習したことのすべてです。労働関係や社会保険関係の数多くの法律、労務管理、白書の内容などです。 A受験勉強の範囲だが、試験合格後の法改正点 社労士試験は出題範囲がとても広い試験です。したがって、法改正も頻繁です。あなたが試験に合格された後も、数多くの法改正が行われているのです。 B読書(専門書)により獲得できる知識 社労士試験は確かに難しい試験ですが、決して奥が深い試験ではなく、出題されているのは上っ面ばかりです。たとえば労務管理。試験では、労務管理の全体像だけを知り、専門用語を数多く記憶してさえいれば、事足りましたよね。でも、実際の労務管理はもっと奥の深いものです。あなたが、自身の開業社労士としての商品に労務管理を加えたいとお考えでしたら、労務管理関係の書籍に数多く目を通し、より深い知識を得ておく必要があります。 さて、開業を控えた今のあなたは、これらの知識を十分にお持ちでしょうか。おそらくあなたは「自信がない」とおっしゃることと思います。その理由は、次のようなものではないでしょうか。 @について 試験合格からだいぶ時間がたっているので、多くの部分を忘れてしまった。 Aについて 法改正点を追わなければいけないと感じているが、ついついさぼってしまっている。 Bについて 絶対的な読書量が不足している。いろいろな本を読まなければならないと思うが、どうもモチベーションを高く保ち続けることができない。 専門知識は、開業社労士にとって必須のものです。にもかかわらず今のあなたは、ご自身の専門知識の不足を実感されているはずです。 受験指導業務がこの問題を解決してくれます。 受験指導業務に就くことで、上の@〜Bのすべての問題が自動的に解決され、あなたは確実な専門知識を手にすることができるのです。以下、具体的に見ていきましょう。 ●受験指導が、知識の幅を広げる 仮にあなたの知識が、テキストに書かれてあることに限定されているとしたらどうでしょうか。当然あなたの講義は、広がりのない面白みのないものになってしまうでしょう。最悪の場合、もっとも評判が悪いいわゆる「テキスト棒読み講義」になってしまうかもしれません。 受講生を納得させるには、豊かな知識に基いた面白みのある講義を展開しなければならないのです。「面白い講義をしよう」との気持ちが強ければ、講師は自ら進んで勉強し、広い知識を得る努力をするものです。知識が広がれば、講義にも幅ができ受講生の評判がよくなります。受講生の評判がよくなれば、講師も気を良くしてまた勉強にいそしむという好循環が生まれるのです。 ●受験指導が知識の陳腐化を防ぐ 受験指導講師は、法改正にも敏感でなければなりません。なぜなら、社労士試験では、法改正点が多く出題される傾向があるからです。また、日頃の講義の中で、すでに改正されている箇所を改正前の規定で話してしまったらカッコ悪いという、より切実な問題もあります。 受講生のため、かつ自分がカッコ悪い思いをしないために、受験講師は法改正情報の収集に努めるのです。結果、受験指導業務に就くことが、知識の陳腐化を防ぐことにつながります。 ●受験指導により、確実な知識を手にできる ここがもっとも大切ですので、よく聞いてください。 実務で求められる専門知識とは何でしょうか。あなたは開業社労士です。今日は顧問先の社長を訪問しました。しばし雑談をしていたのですが、突然社長が、ある法律の内容について質問してきました。質問の内容は、あなたが受験時代にちゃんと勉強したいわゆる"基本的な事項"だったのですが、合格から相当な時間が経ってしまっているあなたは、どうも自分の知識に自信が持てません。やむなくあなたは、「後で調べてお答えします」と言って、その場はお茶を濁しました。 もちろんあなたは、後できちんと調べて回答することでしょうが、しかし、このようなことが度重なったらどうでしょうか。"何を聞いても即答できない"開業社労士を、社長は心底から信頼してくれるでしょうか。 基本事項は、いつ聞かれても即答できるようにしておかなければなりません。それが、社長の信頼を獲得し、ひいては商売を成功させる秘訣なのです。 なお、私の経験では、顧問先の社長の質問で、受験勉強の知識の範囲で答えられないものなど、これまで皆無でした。社長は法律に関してはズブのしろうとです。しろうとの質問などたかが知れているものです。 基本事項を確実に記憶するために、受験指導が大変有効です。 受験指導では、同じことをたびたびしゃべります。たとえば、労働基準法の目的規定の話を、今日は入門講座で話し、1カ月後には基幹講座で話し、3カ月後には答練講座で話すといった具合です。5月以降の直前講座の時期になると、この周期がもっとせばまったりします。さらに、受験指導業務を続けていけば毎年同じことを繰り返すのですから、何年か経つうちには、労働基準法の目的規定について講義をした回数は数十回にも達するわけです。 私が何を言いたいかわかって頂けますよね。そう、受験指導業務を続けることが、期せずしてあなた自身の反復学習となるのです! 受験指導をはじめた頃は大変でしょう。事前準備に相当の時間を取られますし、講義中はおそらくテキストとにらめっこ状態でしょう。テキストに書いてあることがすべて頭の中に入っているわけではないのですから、当然のことです。 ところが、受験指導を続けて同じ内容を幾度となく講義すると、だんだん様子が違ってきます。事前準備に裂く時間を短縮できるのは当然ですが、講義そのものも自然に変わってきます。すなわち、講義中テキストに目をやる回数が徐々に減っていくのです。 これは、同じことを何度もしゃべるという反復学習のおかげで、自分では意識しないうちに、テキストに書いてあることを自然に覚えてしまったからに他なりません。何年も講師を続けていけば、テキストに目をやる回数はどんどん減っていき、そのうちテキストを伏せても講義ができるようになります。 私は、この"反復学習による自然記憶法"を理解式学習法と名づけ、社労士試験受験生に勧めています。講師が反復学習で自然にテキストの内容を記憶できるのならば、受験生も同じ方法で勉強すべきだと考えたのです。 理解式学習法の利点は、"そのつどの覚える努力は不要"と"一度覚えたら絶対忘れない"です(この点については、ここで解説すると長くなるのでやめます。興味のある方は、"真島の社労士理解式学習法"(住宅新報社)をお読みください)。 受験講師を続けることで、開業社労士の商売にとってもっとも大切な"専門知識"を磨き、かつまた確実に記憶することができます。 私の場合で言えば、受験指導業務で培った知識が、現在私がこなしているすべての業務のベースとなっています。受験指導で磨き上げた確実な専門知識がなければ、講演、企業研修、書籍執筆などのすべての業務が成立しえないと言っても過言ではないのです。 以上、3回に渡って受験指導業務について解説して来ました。受験指導業務のすばらしさを、ほんの少しでもお伝えすることができたでしょうか。 私は、受験指導業務に魅せられた者の一人です。限られた人生の中でこの仕事に就けた幸運を、神に感謝したいと思います。 あなたも受験指導業務のすばらしさを味わってみませんか。 現在の真島からちょっと補足 |
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