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どうすれば成功できるのか 1・2号業務の顧客を獲得するための営業方法として、飛び込み訪問とDM送付をご紹介しました。どちらの方法も営業初心者のあなたにとっては何かと大変かもしれませんが、地道に続けていれば必ず何かしらの反応があるものです。めげずにがんばってください。 営業活動の手段は、他にもあります。 <その他の営業活動手段>
おのおの見ていきましょう。 1、開業税理士と仲良くする 開業税理士と仲良くしておくことがお勧めです。仲良くしておくと、開業税理士が自分の顧問先を紹介してくれることがあるからです。このからくりについて、ご説明しましょう。 Aさんという開業税理士の例でご説明します。Aさんは開業税理士としての経験が長く、顧問先も数十社を数えます。仕事は充実しているし、収入的にも安定しています。 しかし、そんなAさんにも、一つだけ悩みがあります。それは、顧問先の社長が、社会保険のことを聞いてきたり、ときには手続きまでも依頼してくることです。税金関係は専門なので知識に自信があり実務も円滑にこなせますが、専門外である社会保険に関しては、常に不安で一杯です。社長の質問に即答できないので、いったん持ち帰って調べる時間や手間がかかりますし、手続きについては、実際に役所まで足を運んで法定書類を提出するのですから、「知らないうちに法律違反を犯していたらどうしよう」と、気が気ではありません。 どうしてこのような事態が起こるのでしょうか。理由は、Aさんと顧問先の社長との認識のズレにあります。Aさんは、「自分は税理士であって、税金の専門家である。社会保険は社労士の仕事」と考えていますが、社長にとってAさんは、税理士である前に「先生」なのです。「先生」はなんでも知っているものであるはずなので、税金はもとより、社会保険や時には貿易摩擦や政治のことまで、Aさんに聞いてくるのです。Aさんも社長と契約するときに、「自分は税理士だ」との説明は当然したのですが、社長はそんなことはすっかり忘れてしまっています。 専門外の仕事なぞ断ればよいではないかとお思いでしょうが、事はそう簡単にいきません。今の時代はどの業界でも競争が激しいのが常、税理士業界でも同じです。「私は税理士なので社会保険の手続きはできません」などと言ったら、「あの先生は仕事を選り好みする」と社長に思われて、顧問契約を打ち切られてしまうかもしれません。有能でバリバリ、泣く子も黙る成功税理士であるAさんも、顧問先を失っては何もできません。泣く泣く、嫌な社会保険業務もこなさざるを得ないというわけです。 税金関係の業務に加えて社会保険の業務をも行う分、顧問料を値上げできればまだ良いのですが、競争激化の中、それもなかなかできません。結果Aさんは、やりたくもない専門外の仕事を無料でこなさざるをえないはめに陥っているというわけです。 この問題の最も良い解決策は、顧問先の社会保険業務を、社労士に任せてしまうことです。顧問先の社長に、別途社労士と契約してもらって、税金はAさん、社会保険は社労士と役割分担ができればいちばんよいのです。 税理士と仲良くしておくと良いと申し上げた意味がおわかりいただけたでしょう。税理士としてもやむにやまれぬ事情があるのですから、あなたが優秀な社労士であれば(そう税理士さんに思ってもらえれば)、どしどし自身の顧問先を紹介してくれることでしょう。 「Aさんが、顧問先の税理士業務に加えて社会保険業務を行っても顧問料値上げが難しいのに、顧問先の社長は新たに顧問料を払って社労士と契約するかしら」と思われるかもしれませんが、多くの場合その心配は無用です。なぜなら、人間というものは、"値上げ"には大きな抵抗を示しますが、"価値あるものを別途購入する"ことには、案外気楽にお金を払うものだからです。なーに、その点は、あなたが心配するまでもなく、税理士の方でちゃんと考えて、社長を説得してくれますよ。 税理士と仲良くなる方法は、いろいろ考えられます。もっとも手近な方法は、あなたの近所を歩いて、目についた税理士事務所に飛び込み訪問を敢行することです。「アポも取らずにそんなことをしていいの?」と思われるかもしれませんが、世の中そんなにきっちりしている人の方が少ないものです。突然飛び込んでもいやな顔をされることはまずなくて、話を聞いてくれることもたびたびです。一般の会社への飛込み訪問よりはよっぽど効率がよいと考えていいでしょう。 また、税理士の勉強会も狙い目です。よく探せば、他士業に門戸を開いている勉強会もあるものです。首尾よくメンバーに加えてもらえたとしても、あまり営業色を表に出さないのが、賢いやり方です。顧問先を紹介してもらうのは、あくまでも仲良くなってからのご褒美、付加価値と考えて、会本来の目的達成のために尽力するべきです。勉強会であれば、勉強による会員の知識のレベルアップが会の目的なのですから、あなたが持っている社労士としての知識を会のメンバーに伝える努力に、全力を傾けるのです。 2、顧問先からの紹介 飛込み訪問やDM送付などの苦労の末に、顧問先が1社できたとします。その1社の業務を誠心誠意こなしましょう。あなたの全身全霊をかけてぶつかるのです。どうせ他に仕事もなく暇なのですから、赤字になったってよいぐらいの覚悟でサービスに徹するべきです。社労士の実務経験のないあなたは、何かしらミスを犯してしまうこともあるかもしれませんが、一所懸命やっている中での小さなミスは、多くの場合笑って許してもらえるものです。小さなミスを気にせずに、がんがんからだごとぶつかっていきましょう。顧問先の社長も、そんなあなたの熱意と誠意を必ずわかってくれます。 さて、そうやって数少ない顧問先の業務をがんばってこなしていると、そのうち、顧問先が別の顧問先を紹介してくれることがあります。これはもう、ばんざいをして大喜びしてもよいことです。なぜならそれは、あなたの仕事ぶりが顧問先の社長に認められたということだからです。 紹介してもらえた先の業務もまた誠心誠意行いましょう。その会社の社長も、いずれ別の顧問先を紹介してくれるかもしれません。 このように、紹介で顧問先が増えることは、実際多いものです。あなたの仕事ぶりが認められた上での紹介ですから、新たに顧問先となった会社の社長は、最初からあなたを信頼してくれているので、仕事もとてもやりやすいのが常です。 3、看板を見ての飛び込み客 これはほとんど期待できませんが、まったくないわけでもなく、ごく稀にはあります。どちらかというと個人の年金相談などが多く、あまりお金にならないケースがほとんどですが、それでもできるだけ丁寧に応対してあげてください。その方が、勤めている会社に戻って、社長にあなたのことを話すかもしれません。人の縁はどこでどうつながるかわからないのです。 4、公共職業安定所や社会保険事務所などへの掲示を見ての客 社労士会に依頼すると、役所にあなたの事務所名を掲示してもらうことができます。この掲示を見た顧客も稀ですがあります。対応方法は3と同じです。 1.2号業務のポイント 営業活動の末、めでたく顧問先第1号の会社ができました。今後は月当たり定額の顧問料をいただいて、その会社の労働・社会保険の手続きをすべて請け負うことになります。お金を頂いて仕事をするのですから、プロの社労士としての第1歩ということになります。あなたとしても、身が引き締まる思いでしょう。 では、1.2号業務は具体的には、どのように行ったら良いのでしょうか。もちろん、同じ仕事でも手順や方法が人によって微妙に異なるのは当然ですから、ここでは、最低限行わなければならない、また、行った方が良いことのみを掲げておきましょう。 <1.2号業務で気をつけること>
1について 「顔見せ」も大事な仕事の一つです。「何かあったら電話くれ」式の商売は感心できません。最低でも月に1度は訪問するようにしましょう。その際、もちろん菓子折りなどを持参する必要はないのですが、何もないのも面白くありません。独自に作成した事務所便りなどを持参するようにしたらどうでしょうか。 〜事務所便りについて〜
訪問した際の話題は、別に何でもよいのです。特に人事・労務のことに限らずとも、最近のニュースでもよいですし、場合によっては野球やサッカーなどのスポーツの話でもよいでしょう。顧客と最低でも月に1度お会いすることによって、絆を深めようとの趣旨なのですから、特に話の内容にこだわらなくてもよいのです。 顧問先から"七夕"と呼ばれている開業社労士がいます。1年に1度しか来ないという意味です。一方、顧問料は毎月ちゃんと口座引き落としなどで自動的に徴収します。 もちろん、その社労士なりの商売の形態があるのですから、"七夕"社労士を一概に"悪い"と揶揄するつもりはありません。ただ、私が自分の顧問先の社長などに意見を聞いてみたところ、「七夕社労士では困る」という声が多かったことは事実です。 2について 社会保険労務士法によって、社労士は業務に関する帳簿を作成することが義務づけられていますが、全顧問先の仕事を一冊の帳簿に記す社労士が多いようです。それで法的には問題ありませんが、業務を円滑にこなすという観点から見た場合は、顧問先ごとにファイルを作り、向こう1年間の業務スケジュールを記入しておくようにするとよいでしょう。ときどきそのファイルを確認するようにすれば、その顧問先に対する業務は、完璧に行えるというわけです。 3について 商売なのですから、どうしたら顧客に喜んでもらえるかを、常に考えて行動するようにしましょう。顧客の身になって、今何をしてもらいたいのか、何をしてくれたら一番幸せなのかを、見極めるようにします。商売のイロハともいえることですが、これは、言うべくしてなかなか難しいもの。ちゃんとできている開業社労士は、10人に1人もいないでしょう。何でもそうですが、成功の秘訣は、"やるべきことをあたりまえのようにあたりまえにこなす"ことです。 1.2号業務の実際 1.2号業務の手順はある程度決まっていますので、パターンを覚えてしまえば楽です。定型業務としては、以下のようなものがあります。 <手続関係定型業務の例>
その他、突発的に発生する手続きとして、業務上災害発生時の労災保険の保険給付請求書、従業員の私傷病による休業期間中の健康保険の傷病手当金請求書などがありますが、数え上げれば切りがありません。 1.2号業務のコツは、とにかく多くの書類を書くことです。書類によっては記入方法が複雑なものもあるので、慣れないうちはなかなか大変ですが、慣れてしまえばこっちのものです。「慣れないうちは間違えて当然。どうせすぐにうまくなるさ」的なラフな発想をした方がいいでしょう。 最初は役所で突っ返されることもあるかもしれませんが、落ち込まずにがんばりましょう。 そうそう、役所の話が出ましたので、役所とのつきあい方について書いておきます。1.2号業務を行う社労士は、労働基準監督署、公共職業安定所、社会保険事務所などの役所に赴く機会が多くなります。そのつど職員の方々と直接接するのですが、中にはとうてい社交的とは言い難い職員の方もいます(私が言いたいことはわかりますよね)。 あなたが腹が立つ気持ちはわかりますが、むやみやたらと感情をあらわにしても、得などありません。役所の方とは今後もずっとつきあっていくのですから、どうしても譲れない局面以外は、できることならトラブルは避けるべきでしょう(顧問先の従業員の利益を守るためなどの理由で、どうしても譲れないことも時にはあるものです。そんなときは徹底的に戦ってもよいと思います。法律家として市民の権利を守るのが社労士の仕事なのですから。かく言う私も、役所と全面対決したことは、一度や二度ではありません)。 仲良くしておきましょうという観点から言えば、社労士会の会合にもできるだけ顔を出すべきです。開業すれば社労士会も強制入会となりますので、黙っていても、研修会や忘年会などの案内が郵送されてきます。 このような会合に積極的に参加して、先輩社労士の話を聞くことは、いちばんの勉強です。先輩の開業当時の苦労話も聞けますし、あなたが成功するための秘訣も、惜しみなく教えてくれることでしょう。先輩と同じ道を歩もうとしているあなたにとって、先輩の実体験に即した話は、どんな歴史上の偉人の言葉よりもありがたいはずです。 現在の真島からちょっと補足 |