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どうすれば成功できるのか
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DM送付は気持ちが楽
 1・2号業務を獲得するための営業方法として、前回は飛び込み訪問を紹介しました。営業経験がない方にとって飛び込み訪問はかなり勇気がいることでしょうが、ある時期思い切って決断して行動しないと、何事もはじまりません。この道で食べていくのだとの決意をした以上どうしても避けて通ることはできない道なのですから、気合いを入れてがんばってください。
 今号は、DM送付の話です。DM送付の利点は次のとおりです。
1 最初は直接顧客に会わないので、飛込み訪問のような恐怖を味わわなくてすむ。
2 準備から発送に至るまで、自分のペースで行える。

 逆に欠点は以下の通りです。
1 顧客の側からみて、飛込み訪問と比べるとインパクトが薄い。必然的に、「仕事を依頼してみようかな」と考えにくい。
2 原稿作成、封筒の宛名書きなどの手間暇がかかる。

 これは個人的な意見ですが、最初から「飛込み訪問は大変だからDM送付でやろう」と考えるのではなく、飛込み訪問とDM送付を併用する形で営業活動を行うのがよいと思います。大変なことからできるだけ逃げたいのは誰でも同じですが、逃げてばかりいては顧客はなかなかつかめません。この道で成功したければ、つらい飛込み訪問もやってみるべきではないでしょうか。
 では、DM送付の具体的な手法についてみていきましょう。

DM送付の手順
 手順は、人によって若干前後することはありますが、おおむね次のとおりです。
(1)送付先のリストアップ

(2)DM原稿の作成、コピー

(3)封筒の宛名書き、原稿封入、切手貼付

(4)投函

(5)電話の前で反応を待つ

(1)送付先のリストアップ
 どの業界でも、顧客候補のリスト入手は大変です。場合によっては、悪徳業者から裏リストを法外な値段で購入したりもします(当然違法です)。あなたは、「開業したばかりでお金もないのに、裏リストを買う余裕なんかないな、どうしよう」とお考えかもしれません。
 でも、心配は無用です。開業社労士の顧客候補のリスト入手はとっても簡単です。なぜなら、すべての会社が開業社労士の顧客になり得るからです。数ある企業の中から顧客になり得る企業を絞り込む必要などまったくなく、会社と名のつくところ(個人事業でもよい)はすべてが顧客になる可能性を持っているからなのです。
 あなたの近所の会社リストを作るには、次のような方法が考えられます。
@ 近所を歩いて(自転車や車でも可)、目についた会社を手帳に書きとめる。
A 新聞の折り込みチラシからリストを作る。
B 公共職業安定所に行き、求人票を出している会社を手帳に書きとめる。

 @の方法は最も手軽です。手帳と鉛筆を持って散歩のつもりで出かければよいのですから。のんびりと20〜30分歩くだけでも、あなたの手帳には数社から数十社の会社名と住所がメモされていることでしょう。
 しかし、この方法でリストアップした会社は、せっかく近くにあるのですから、わざわざ手間暇をかけてDMを送付するよりも、飛込み訪問の対象にした方がよいかもしれません。
 Aの方法はもっとも確実で、かつもっともお勧めです。新聞に、ときどきあなたの近所の会社ばかりが載った求人チラシが折り込まれていることがあるでしょう。求人チラシに載っている会社のすべてがあなたの顧客になり得る会社なのですから、リスト作成はとても楽です。この方法のよいところは、「業績が上向きで、ある程度お金を持っている企業」だけのリストができるところです。だってそうですよね。求人広告を出して人を雇おうとしている会社が倒産寸前であるはずはないですから。
 気をつけていれば、求人チラシはかなり頻繁に折り込まれてきます。そのつどパソコンに一社一社打ち込んで、リストを作り上げていきましょう。
 Bの方法でも、業績が上向きな優良企業のリストを得ることができます。ただ、求人票からメモを取るとき、求職者の方々の邪魔にならないように気をつけるべきです。
 以上の3つの方法を併用すれば、比較的楽にリストの作成ができるはずです。リストは、データベースソフトなどに入力しておけば、後で社名ごと(あいうえお順)に分類したり、宛名のDMシールを作成したりするのに便利です。

(2)DM原稿の作成・コピー
 次は、送付する原稿の作成です。この段階はもっとも力を入れて取り組むべきです。あなたのDM送付による営業活動が成功するか失敗するかは、すべてこの原稿の出来不出来にかかっていると言っても過言ではありません。
 せっかくパソコンがあるのですから、パソコンで作成しましょう(WORDや一太郎などのワープロソフトで十分です)。パソコンで下書きをしたうえで印刷を専門の業者に任せればよいのですが、個人的意見としては、専門業者に頼まずとも、パソコンで作成したものをそのまま送付してよいと思います。今の時代パソコンはあたりまえですから、パソコンで作成した文書がDMとして送られてきても、特に違和感は感じないものです。
 原稿作成のいちばんのポイントは、「受け取った側の気持ちになって作成する」ことです。あなたからのDMを受け取り開封するであろう、リストアップされた企業の社長や人事担当者の気持ちになって考えるのです。DMの封筒を見た瞬間、封を切った瞬間、中のDMを引き出した瞬間、そしてDMに目を通した瞬間に、彼らがどう感じるかを常に考えながら原稿を作成するようにしてください。まちがっても、自分サイドに立った手前勝手な内容はいけません。「あなたが書きたいことを書くのではなく、読み手が欲することを書く」と言えばわかりやすいでしょうか。より具体的に見てみましょう。
@図表を駆使して見易く作成する。
 ずらずらと文章ばかりのDMを作成する人がいます。文章を書くのに慣れた人は、DM作成の段になってもどうしても文章を書きたがるものです。でも、顧客の立場に立てば、これではいけないことはすぐにわかるはずです。今は日本人全体に活字離れが進んでいる時代です。文章ばかりだと最初からまったく読んでももらえないかも知れません。幸いにしてあなたのDMを受け取った相手が活字に抵抗がない人だとしても、やはり文章ばかりでなく、適当に図表を入れて視覚に訴えた方が、相手の心に染み入る度合いは強くなるものです。
 では、どういう図表を入れたらよいのでしょうか。これについては残念ながら決まったパターンというものはありません。相手の立場に立った上で、あなたがもっとも良いと思う図表を作成・挿入すればよいのです。あなたの元に日々送られてくる様々な業界からのDMも参考にしましょう。
 図表の作り方ですが、特別なソフトを購入しなくても、ワープロソフト(WORD、一太郎)でよいと思います。今はワープロソフトも高機能になっていろいろな種類の図が書けますし、デジタルカメラで撮った写真を貼りつけることもできます。図表だけでなく、写真も入っているDMというのも、なかなかおつなものかもしれません。
A営業に徹する。
 「読み手が知りたいことを書く」が鉄則です。彼らが知りたいことは、次の3点です。
  • 社労士って何?(結構知られていません)
  • 社労士と契約すると得なの?
  • 契約料はいくらなの?
 この3点は必ず入れましょう(それ以外の無駄なことはできるだけ書かないようにしましょう)。そして大切なことは、「3点をただ情報として盛り込むのではなく、営業を意識しつつ入れる」ということです。顧客獲得というDM送付の本来の目的を忘れてはなりません。読み手に、「この社労士と契約してもいいな」と思わせなければ、あなたのDM送付は失敗であり、いかに高尚なことが書かれてあろうと、そのDMは何の価値もない単なる紙切れに過ぎないのです。
 たとえば、「社労士って何?」という点に関しては、ただ漫然と社労士の紹介をするのではなく、厚生労働省が認めた国家資格であるということを強調したらどうでしょうか。日本人はなんだかんだ言っても権威に弱いので、省庁名は結構効果があるものです。
 「社労士と契約すると得なの?」についても、労働・社会保険の事務手続完全代行、最新法改正情報提供、年金相談などの具体的項目を掲げ、社労士と契約するといかに"得"なのかを強調するようにしましょう。
 「契約料はいくらなの?」については、社労士会が決めためやすの報酬がありますので、参考にするとよいと思います。大幅なダンピングは、社労士全体の価値を下げることにつながりますので、やめるべきです。先輩社労士と相談して決めるとよいでしょう。

 さて、原稿を作成したら、今度はコピーです。最低でも200〜300通ぐらいは発送するのですから、DMもそれだけの枚数が必要です。作成には、次の方法が考えられます。
@ 印刷業者に依頼する。
A 近くのコンビニなどでコピーする。
B 近くの文房具屋などで、リソグラフコピーする。
C 自宅のパソコンで印刷する。

@最も楽な方法ですが、経費がかかります。手持ちのお金と相談してください。
Aコンビニのコピーは1枚10円なので、ある程度費用がかかります。白黒ならいいのですが、カラーコピーだと費用、時間が余計にかかります。
Bコンビニコピーより安いようです。ちなみに、私が開業当初DMを送付したときは、この方法を使いました。
Cレーザープリンターがあれば一番いいですね。すばやく印刷できます。普通のプリンターでも、時間とインク代を惜しまなければ可能です。

3、封筒の宛名書き、原稿封入、切手貼付
 今度は、封筒の宛名書き、原稿封入、切手貼付です。これらは、言うべくして、結構大変な作業です。やってみると大変さが肌で実感できると思います。したがって、1回に送付できるDMの通数は200〜300通が限界だといえるでしょう。

4、投函
 投函の際は、せいぜい祈りましょう。「反応がありますように、契約先ができますように」と祈りつつ投函するのです。神様がいるかどうかはわかりませんが、祈るだけならただです。自分の気持ちを確認する効果もあります。

5、電話の前で反応を待つ
 次は、とりあえず電話の前で待つしかすることはありません。何かしらの反応があるのを、ただただ祈りつつ待つのみです。「次から次へ電話がかかってきて、こなしきれないくらい仕事が来たらどうしよう」などと考えますが、その心配はご無用です。世の中はそんなに甘くはありません。おそらく電話は、まったく鳴らないか、鳴ってもせいぜい2〜3回でしょう。
 幸運にも電話がかかってきたら、そのチャンスを逃してはなりません。懇切丁寧に相手の要望を聞き、訪問の約束を取りつけるべきです。「電話では説明しきれないので、一度お邪魔したい。時間は取らせないから」というようなことを言えばよいでしょう。電話をかけてくるほどの相手ですから、あなたの対応次第で、まず十中八九会ってくれると考えてよいと思います。
 会えたときが勝負です。誠心誠意真心をもって話をすれば、相手はきっと「この社労士と契約しよう」と思ってくれるはずです。なぜなら、企業は、社労士と契約すれば得をすることができるという紛れもない"事実"があるからです。後は、あなたがその事実を相手にきちんと伝えることができるかどうかにかかっているのです。がんばってください。
 10日ほど待って電話が一切鳴らなくても(2〜3回しか鳴らなくても同じことですが)、それであきらめてはいけません。「営業は断られてからが勝負」です。リスト片手に電話営業を敢行しましょう。相手が出たら、まずDMを見てくれたかどうかを尋ねます。見てくれていたら話は早いですよね。DMだけでは伝え切れなかった点を補足説明した上で、一度お会いしたい旨を伝えます。常に真心を持って話をすることを忘れないでください。
 DMを見てくれていない場合は(実際こちらの方が多いのですが)、一から説明します。ただし相手も忙しいのですから、あまりくどくならないようにしましょう。この場合も、なんとかして一度面談できる方法に話を引っ張っていきます。
 最初は緊張してうまくいかないかも知れませんが、なに、何事も慣れです。2〜3件かければすっかり度胸もつき、うまく話せるようになります。
 電話営業のいいところは、相手の生の声が聞けることです。相手が何を欲していてどうすれば気持ちを動かしてくれるのかを、実感できるのです。また、相手側も、DMという無味乾燥な書面だけではなく、あなたの声を聞くことで、なんとなくその気になるという効果もあります。DMではなんの反応もなかったのに、電話で話すと乗り気になるという例は、実際のところ多いのです。

 以上が、DM送付の全手順です。最初のDM送付で1件でも2件でも契約先ができれば大成功ですが、できなくてもめげずに、何度かDM送付を繰り返してください。あきらめることなく続けていれば、必ず網に引っ掛かってくる(表現は悪いですが)企業があるものです。業界では、「まず1件作るのが大変だ」といいます。これは逆に言えば、1件できれば、後は紹介で増えていく可能性が高いということを意味します。また、1件の契約先の業務を真摯にこなすことで、あなたが自信を得ることができ、その結果、その後の営業もスムーズに行くことも理由の一つです。
 飛込み訪問でもそうですが、あきらめたら終わりです。あきらめずに粘り強くがんばっていれば、いずれ必ずものになるものです。健闘を祈ります。

その(13)に続く

現在の真島からちょっと補足
 飛び込み訪問は苦痛以外の何者でもありませんが、DM送付は、ある意味とても楽しい作業です。自分で創意工夫をこらしながら原稿を作成・祈りを込めて投函するときの高ぶる気持ち・初めて電話がかかってきたときの心の底からの喜び・増してや初めて契約が取れたときの嬉しさは、言葉では表現できないものです。他の士業では営業が禁じられているケースもあるようですが、社労士は完全自由です。DM送付の喜びに浸れる幸せを噛みしめながら、がんばってみてください。
 ただし、先輩社労士への配慮を忘れないように。具体的には、DM中に次のような文言を入れておけばよいでしょう。
「すでに他の社会保険労務士と契約されている場合は、本書類は破棄してください」


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