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<社会保険労務士試験受験>
理解式学習法について(1)
1、常識の破壊
あなたは、「社労士試験は暗記型の試験である」とお聞きになったことがおありでしょう。この説を唱える方々の理屈はこうです。「試験範囲がとても広いので、そのすべてを丸暗記しなければならず、記憶力が勝負を決める。特に最近の試験は難化傾向を強め、細かい規則や通達からの出題が増えているので、社労士試験はますます暗記型試験の色合いを強めた」。専門学校に通っても、ものの本を読んでも、必ずと言ってよいほどこの理屈をたたき込まれます。
この常識とされている暗記型の勉強法を、「丸暗記式学習法」と名づけることにします。丸暗記式学習法での勉強は大変です。テキストを頭から単純暗記していかなければならないのですから、記憶力に絶対の自信を持っている一部の人を除いて、やる前から嫌になってしまうことでしょう。年配の方などは、それと聞くだけで、社労士試験挑戦を諦めてしまったりもします。
一般的に言って、常識が必ずしも正しいとは限りません。常識とは、多数決によって選ばれた一つの認識にすぎず、少数意見のほうが正しいことは往々にしてあるのです。ガリレオ・ガリレイの話がそれを如実に物語っています。彼が地動説を唱えたとき、彼以外のすべての人が天動説を信じていたのに、結局正しいのはガリレオのほうだったのです。
ここで、「社労士試験は暗記型」との常識を見つめ直してみましょう。誰もが何の疑いもなく信じ込んでいるこの常識は、はたして正しいのでしょうか。
2、社労士試験は暗記型との俗説は大うそ
「社労士試験は暗記型の常識が正しい」ということは、「暗記すれば合格できる」ということです。逆に言えば、「暗記では合格できない」ことを証明すれば、この常識はくつがえることになります。以下、証明してみましょう。
まず、前提条件から。仮にあなたが、「社労士試験は暗記型」の常識にのっとって、試験範囲をすべて丸暗記することに成功したとします。あなたは社労士試験に合格できるでしょうか。結論から言えば、答えは否です。おそらくあなたの得点は、合格ラインである6〜7割に遠く及ばないことでしょう。
なぜでしょうか。理由は、近年の社労士試験の変化にあります。
社労士試験は、4〜5年前までは易しい試験でした。出題内容は、基本事項を正面切って問う、「素直」な問題がほとんどだったのです。したがって、丸暗記式学習法で表面的な知識を暗記してしまえば、十分に合格点を取ることが可能だったのです。当時は、「社労士試験は暗記型」との説も、ある意味では正しかったわけです。
しかし近年、社労士試験は著しい変化を見せています。受験者数の急増に伴って、試験は難化傾向を強めています。もはや丸暗記式学習法では対応できないのです。
あなたは、それはおかしいと思われるかもしれません。試験が難しくなったということは、細かい規則や通達からの出題が増えたということだから、以前より丸暗記する量は増えたけれど、現行の試験でも丸暗記で十分に対応できるはずだ、とお考えになるかもしれません。
それです。まさにそれこそが、多くの受験指導関係者が誤解している点なのです。ここは特に重要ですので、集中して読んでください。多くの受験指導関係者は、社労士試験が難しくなった理由を、細かい箇所からの出題が増えたからだと考えています。出題範囲が広がったのだから、もともと暗記型であった社労士試験が、さらにその要素を強めたという理屈です。
本当にそうでしょうか。確かに、以前よりも細かい事項からの出題は増えました。私もその事実を否定するつもりはありません。しかし、ここ4〜5年の過去問を仔細に分析してみると、ある事実に気づきます。
それは、未だに、出題の7〜8割は基本事項からの出題であるということです。
細かい事項の出題も増えましたが、それは全体の1〜2割に過ぎません。社労士試験は6〜7割の得点で合格なのですから、仮に細かい事項は全く得点できなくても、ちゃんと合格できるのです。
それでは、試験が難しくなった理由は何でしょうか。
それは4〜5年前に比べて、応用力を問われるようになったからです。同じ基本問題でも、4〜5年前までは表面的な知識しか問われなかったのですが、現在の試験は応用力を重視しているのです。もっとわかりやすく言えば、現在の試験では、「出題のほとんどは基本事項だが、基本事項をストレートには出題しない。ひねってみたり角度を変えてみたりして、一筋縄では解けない問題に仕上げている」ということになります。
応用力が問われる試験で、丸暗記式学習法は役に立ちません。丸暗記式学習法では理解が伴っていないのですから、ちょっとひねられたらもうおしまいです。真ん中高めの直球ならばホームランも打てるでしょうが、変化球を投げられるともう空振り三振が、丸暗記式学習法なのです。
社労士試験の変化
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