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(第3回):松岡勇人先生



 こんにちは。社労士の松岡です!

 「実務はこんなにおもしろい!」、第1回目を読んでくれた皆様、ありがとうございました。読んでくれた友人、知人の社労士さん方から感想メールをたくさん頂きました。また真島社労士塾へ感想メールをくれた方のメールも真島先生経由で読ませて頂きました。ホントありがとうございます!

 感想メールを読んだあと、「多くの方に読まれると、少々、プレシャーになりましたぁ!」と真島先生にメールしたところ、「心地よいプレッシャーでしょ。」との返事・・・さらに変なプレッシャーです。

 第1回目のコラムがHPに配信された次の日、11月1日のしんちゃんダイアリーを読んでビックリ!!しました。「しんちゃん結婚相談所」に登録されてましたぁ。どうやら、真島先生が新規事業(もちろん冗談!)でやってるらしい・・・。開業キャンペーンで、現在無料で承っているらしいので、お申込みは真島先生までお願いします(首を長〜くして待ってます)。

 さて、先日といっても、もう2ヶ月近く経ちますが、第39回社会保険労務士試験の合格発表がありました。

 合格された方、合格おめでとうございます!今までの努力が報われましたねぇ。本当におめでとうございます。私が籍を置く勉強会でも合格者の方を迎え、私自身、新たな気分になりました!いつかの日か、この連載を読んでくれた方と一緒に仕事ができたら嬉しいですねぇ。合格できなかった方、残念でした。第40回本試験の合格を目指し既に勉強を再開していると思いますが、ガンバリましょう(後述の【受験生に厳しい一言】読んでねぇ)

 

【出会い】

 合格したての方や新人社労士の多くは、おそらく合格者・新人社労士向けのセミナーや勉強会に参加されると思います。資格学校や出版社、または弁護士の先生方や開業社労士の先生方が、色々なテーマでセミナーや勉強会を企画してやってくれています。

 例えば、開業準備セミナー、就業規則作成セミナー、給与計算セミナー、助成金セミナー・・・メジャーなテーマから、あまり聞いたことのないマイナーなテーマまで探せば色々とやってます。

 自分の興味・関心のあることや日々のお仕事にすぐに役立つことを勉強するため、さらに専門性を高めるためなど、理由は人によって違うと思いますが、セミナーや勉強会を活用することは良いだと思います。消化不良にならない程度に最初は色々と参加することをお勧めします。

 

《悪い出会い》

 私も時間とお金の許す限り、多くのセミナーや勉強会に参加しました。その多くが非常に役立ちましたが、レベルが高すぎるために役立たなかったものや期待ハズレのものもあったのも事実です。

 セミナーや勉強会に参加する際の注意として、語弊があるかも知れませんが、騙されないようにしましょう。どこの業界にもいる悪徳業者(?)ですが、セミナーや勉強会のなかにも稀に紛れ込んでいるようです。右も左もわからない新人社労士であることをよいことに、言葉巧みに近寄ってきますので注意をしましょう。そのような方たちから見れば、新人社労士はまさにおいしいターゲット!

 私が参加したあるセミナーのお話です。

 受講料は、5時間で2万5千円。教材は著名な社労士の先生が執筆されている書籍のコピー。セミナーの当日、参加者は1516名いたと思います。参加者は、見るからに私と同じ新人社労士でした。

 講義が始まると講師は、書籍のコピーをひたすら読み続けました・・・しかも棒読み!解説はありません。参加者から質問が多くでましたが、ほとんど回答になっていませんでした。私の質問には、調べてメールで回答するということになっていたのですが、結局、メールで回答は来ませんでした。

 人によって感じ方が異なるので、参加者の中には、このセミナーを絶賛する方もいたかもしれません。でも、おそらく、私以外の参加者も不満の残るセミナーだったと思います。・・・この内容で、この受講料。世間では、こういうのを「ぼったくり」と表現するのでしょう。

 セミナーや勉強会のほかに、異業種交流会というのがあります。出会いを求めて、他士業の方や企業の方が参加してくるので、色々な出会いがあり、場合によっては仕事につながることもあるでしょう。

 

 しかし、出会いを求めているのは、他士業の方や企業の方に限らないので、異業種交流会には稀に変な奴が紛れ込んでいるようですよ。友人の社労士から聞いたお話ですが、ネズミ講や新興宗教の方たちも本来の姿を隠し、異業種交流会に出会いを求めて集まってくるらしいので、ご用心を!ヘタをすると気が付いたら、自分自身がネズミ講や新興宗教の勧誘をしているかもしれませんねぇ。(異業種交流会が悪いといっているわけではないので、念のため)

 ぼったくりに合わないように、信頼できる先輩や同期の社労士から情報を得て、評判の良いセミナーや勉強会に参加して社労士としての自分をブラッシュアップしましょう。

 

《良い出会い》

 悪い出会いのお話をしましたが、それとは反対に良い出会いもあります。

 セミナーや勉強会は講義内容も重要ですが、それ以上にセミナーや勉強会を通じて良い出会いもありますよ。先輩社労士が仕事や人を紹介してくれることもあるでしょう。

 私も良い出会いに多く恵まれました。

 たまたま参加した就業規則の勉強会の担当講師が、私にとって社労士界の恩師の一人となり、右も左もわからない頃、いろいろとお世話になりました。その後、この恩師の紹介で、「社労士界の母」と私が呼んでいる大先生より薫陶を受けることもできました。また、その事務所の職員の方から、1・2号業務の実務を教えて頂きました。

 私と一緒にこの連載を担当している雨宮先生は、同期合格で、勉強会で知り合いました。年齢は一回りも上ですが、公私にわたってホンネで色々と話せる間柄です。

 社労士以外では、公私にわたってホンネで色々と話せる友人はいても、同じ社労士でこのような関係を作れるのは難しいですよ。なぜなら、同業他社だからです。勉強会等で仲良くなったとしても、なかなか、「社労士」という鎧(ヨロイ)を脱がないのです。鎧を脱いで、心底ホンネで話ができる関係を築けた社労士の仲間がいると非常に心強いですよ。

 真島先生との出会いは、良い出会いであったことはいうまでもありません!(足を向けて寝られないのですが、私の寝室のベットと真島邸の地理的関係で、足を向けて寝てますが・・・)

 

【就業規則】

 皆さんは、自分が勤めている、または勤めていた会社の就業規則を実際に見たことがありますか?また、読んだことがありますか?お恥ずかしいお話ですが、私はサラリーマン時代、自分が勤めていた会社の就業規則をよく読んだことがありません。昇格試験のとき、就業規則の服務規律から問題が数問出題されるため、配布されていた就業規則の服務規律のページだけ、読んだことを覚えています。社労士になった今にして思えば、会社を辞めるとき、就業規則をコピーしておけば良かったと思うのですが、残念なことに退社日に健保証等と一緒に返還してしまいました。

 それぐらい、サラリーマン時代の私は就業規則に対して問題意識がなかったというか、重要なものであるという認識がありませんでした。おそらく皆さんも同じような認識ではないでしょうか?・・・それとも私のレベルが低かったのでしょうか?

 良いか悪いかは別にして、実際のところ、会社に不満がなかったり、大過なく普通に過ごしていれば、就業規則に触れることがないのかもしれませんねぇ。

 

《就業規則は会社の憲法だ》

 以前から「就業規則のお話をしなくては・・・」と思っていた顧問先がありました。「10人そこそこ」から「常時10以上」の状態になってきたので、社長さんに就業規則の作成のご提案をしに行ったときのお話しです。

社長:「先生、就業規則っていうのは、一体なんだい?」

松岡:「御社の1日の労働時間や休日・休暇などの労働条件や服務規律など、社長さんと従業員がお互いに就労に際して守らなければならない会社のルールブック、いわば御社の憲法みたいなものですよぉ。常時10以上の従業員がいる会社は、作成して、監督署に届け出なければいけないんです。」

社長:「フン〜、就業規則っていうのは、自分の会社のルールブックなのに、監督署に届出が必要か?」

松岡:「はい。御社の場合は届出が必要です。届け出る前に従業員代表者に意見書を書いてもらわなければなりませんが、社長さんが御社の労務管理を行ううえで、必要な労働条件や規律を就業規則に盛り込むんですよ。」

社長:「わかったよぉ。俺が朝6時に出社すれば、その日の始業時刻は朝6時。夜11時に退社すれば、その日の終業時刻は夜11時!社長である俺の行動すべてが就業規則だぁ!俺そのものが就業規則だぁ!

    松岡:「・・・・・・(目が点になりました)」

 「社長である俺の行動すべてが就業規則だぁ!」は、スゴイ表現だと思いますが、類似した例は私自身、何度かありました。皆さんも類似した表現は聞きますよ。このような表現になるのは、中小・零細企業の社長さんの多くが自分で本当に苦労されて興した会社のため、「会社は俺の物だ!」という意識になるのでしょう。

 「自分で興した会社だから煮て食おうが、焼いて食おうが、俺の自由だ!」的な意識を持っている社長さんの意識を変えるのは、とても大変です。しかし、ここで「ダメだぁ!」と思ったら、社労士としてはおそらく失格でしょう。また、そこに遣り甲斐を感じられないのも顧問社労士としてはおそらく失格でしょう。最終的に私の力量不足のため、「こりゃ、ダメだぁ!」と諦めたこともありますが、このような顧問先でも少しずつでも法律を守ろうという意識を植え付ける努力はしなければなりませんね!

 

《就業規則は大切なものだけど・・・》

 会社にとって、就業規則は憲法のようなもの=大切なものであるため、その管理にも最善の策を講じているのでしょうか。あまりに大切なものなので、神棚にお供えもののように祭られている就業規則があるらしい・・・私は実際に見たことがありませんが、友人の社労士が顧問先で神棚に保管されている就業規則を見たことがあるそうです。

 神棚はありませんが、社長室の金庫に厳重に保管されている就業規則は見たことがあります。従業員の皆さんに周知され、社長さん自身が会社の規則を確認する分としての就業規則が金庫に保管されているなら問題はないのでしょう。

 金庫に保管されているのを目撃する前に、この顧問先の人事担当者から、就業規則を見れば記載されている内容を電話にて問い合わせがありました。以前に就業規則を作成した顧問先であるため、私のパソコンにも、また製本した就業規則もありましたので、問い合せには応じました。

 数回、このような応対をしていると、わかってきます。

 「この会社、せっかく作成した就業規則、従業員に周知してないなぁ!」と。

 法律上は「就業規則は、従業員に周知しなければならない」とされているので、顧問社労士としては「従業員に周知・徹底しないと作成した意味がありませんよ!」と社長さんにはアドバイスします。しかし、周知する決断を下せるような職場環境を整えるのは顧問社労士のお仕事ですが、最終的に周知するか否かの決断をするのは、社長さん自身です。

 

《都合の良い箇所だけ》

 就業規則、賃金規程、退職金規程、育児介護休業規程、出張規程など会社によって中身は多少異なりますが、これらすべてをまとめたものが労働基準法89条でいうところの就業規則です。

 私は就業規則の作成依頼を受け、最終的に監督署に届出したり、会社に納める就業規則を製本機で仕上げています。通常はすべての規程に通し番号を入れて、1冊にまとめて仕上げています。

 あるとき、「各規程を分冊にして製本してほしい」との依頼がありました。ご希望どおり、分冊にして製本し、できあがったものを監督署に届けでました。

 この顧問先は、分冊であることをいいことに一部周知、一部非公開ということをしていたようです。つまり、会社にとって都合の良いこと(懲戒規定)は従業員に周知して厳しく労務管理を行い、会社にとって都合の悪いこと(賃金規程、退職金規程)は周知せず、残業代等をごまかしていたようです(確認ができたわけではないので、憶測です)。都合の良い使われ方をされてしまったようなので、分冊製本は反省しています。

 就業規則関係のお話は、たくさんあるので、また就業規則についてお話する機会があると思います。

 次回は、今回お話できなかった【年次有給休暇】についてお話する予定です。

 では、次号をお楽しみに!

 

【受験生に厳しい一言】

 「実務はこんなにおもしろい!」のタイトルからは逸脱しますが、受験生の方はチョッと読んでね。話すタイミングがよいので、受験生に厳しい一言。合格体験記ではないので一言だけ。

 合格できなかった方は、既に勉強を再開していると思いますが、まだ本試験まで時間がありますので、不合格だった理由を考えてみることをお勧めします。

厳しい一言

「なんちゃって合格(まぐれ合格)はあっても、なんちゃって不合格(まぐれ不合格)はない!」

⇒私が受験生時代に自分に言い聞かせていたこと(自作の格言!?)です。私自身、総合得点では合格基準点を上回ったもの1点足らず足きりを経験しました。

 不合格には不合格になった理由があるので、その理由を探しましょう。理由を探さないとまた同じ結果になりますよ。

 私が受験生時代、真島先生が講義で言っていたことを今、思い出しました。

100%と99%の1%違い」

 「100%」と「99%」は、たった1%の違いです。通常ならば、99%は、100%と考えても良いくらいですが、そうでないことも場合によってはあるのです。社労士試験もまた然りです。

 1%でも何か甘え(不合格になる理由)があれば、合格はできません。1%の甘えも取り除き、120%合格する気持ちで本試験に臨みましょう!社労士試験は、合格率7〜8%の合格率。100人の受験生のうち、9293人は不合格になってしまう厳しい試験であることはご存知だと思います。

 ガンバリましょう!

第4回に続く